コース案内｜総合研究大学院大学先端学術院　素粒子原子核コース

コース概要

素粒子原子核コースは、万物の最小構成要素である素粒子をもとに、原子核を含む様々な量子多体系が示す物理現象を解き明かし、宇宙の成り立ちや起源を探究する次世代の研究者を育成します。素粒子・原子核・宇宙に関連する幅広い分野にまたがる教育を行い、これらの分野の更なる発展に貢献できる広い視野と高い専門性を備えた人材を養成することを目指します。

本コースは、学士を受け入れる５年一貫制博士課程および修士を受け入れる博士後期課程の２つの課程から構成されています。コースに所属する院生は、高エネルギー加速器研究機構 (KEK)素粒子原子核研究所の理論研究グループまたは実験研究グループに所属し、つくばキャンパス、東海キャンパス、和光原子核科学センター、あるいは世界中にある実験施設で学修・研究活動を行います。

目指す博士像

本コースでは、素粒子・原子核・宇宙物理学の視点を持って次世代の社会で活躍できる、次のような博士人材の育成を目的としています。

自然を根源的な立場からとらえて理解する物理学の考え方と手法を修得し、素粒子・原子核・宇宙に関する高度な研究を推進できる人物。
新しい学術的な発展につながる課題を自ら見つけ出し、従来の考え方や手法にとらわれることなく、着実に成果につなげていける人物。
広い視野に立って自分の研究をとらえ、コアとなる専門領域を持ちつつも、周辺領域に研究テーマを広げていくことができる人物。
国内外を問わず、研究テーマの観点から関連の深い研究者たちと積極的に交流し、互いに協力しながら新しい分野を築いていける人物。
真理の探究という研究者の心得を常に意識し、人類の知的財産に貢献することにより、社会的な役割を果たすことができる人物。

学習活動

本コースの学生は、博士の学位を取得するにふさわしい能力を身につけるために、以下のような学修や研究活動を行います。

講義や演習を通じて、素粒子・原子核・宇宙物理学に関する専門的知識、及び、その研究に必要な方法論を修得します。さらに、こうして修得した専門的知識と方法論を用いて、具体的な研究課題に取り組むことにより、着想から論文執筆までの一連の研究プロセスを着実に遂行していく力を身につけます。
世界をリードする最先端の加速器を擁するKEK の恵まれた研究環境を活用しながら、複数教員体制による指導の下、新しい考え方と方法論を用いて学術的に重要な研究課題に取り組み、成果につなげていく力を養います。
KEK で行われている学際的な研究活動を広く学びの場として活用するとともに、一人ひとりが取り組む研究課題に即して、コースの枠組みを越えた柔軟な単位修得や研究指導を可能とする教育により、幅広い視野を身につけます。
KEK に国内外から訪れる一流の研究者と日常的に交流するとともに、自ら海外に渡航して研究活動に取り組むための海外研究派遣プログラムや、国際共同指導制度，海外研究者との交流プログラム等を活用し、国際的な研究ネットワークを築いていけるコミュニケーション能力を身につけます。
学問の社会的意義や、社会において研究者が果たすべき役割について考える機会を通して、人間社会における研究者の存在意義を深く理解します。

履修科目の一例を示した履修モデル図を下に示します。学生は博士学位論文の作成と並行して、自身の興味と専門に合わせて多様な科目の組み合わせを選択できます。